一脚も含む三脚の世界では、このところ日本メーカーや欧米メーカーに代わり、中国メーカー(中国ブランド)の製品が高い人気を誇っています。その理由を業界の情報通に尋ねると、まずひとつはもともと大手のサプライヤーだったところに独自のブランドを立ち上げたメーカーが多く、品質は大手メーカー品と遜色ないものであること。二つ目が、写真愛好家が憧れる軽量なカーボン三脚を多くラインナップし、しかも比較的手ごろな価格設定であることなどが要因として大きいといいます。
さらに、カメラやレンズとは異なり比較的シンプルな構造であるため、新規参入しやすいのも中国メーカーが台頭している理由のひとつといえます。チャンスを目ざとく見つけ、それをビジネスとして素早く自分たちのものにしていくのが上手い国民性であり、結果としてたどり着いた先が三脚だったのでしょう(同様に、角形フィルターも現在中国製が台頭しています)。金属部品の削り出しなど、工作精度の高さも人気の理由になっているように思えます。
今回のCP+でも、従来から出展している中国の三脚メーカーに加え、新たにいくつかのメーカーがブースを出していました。質素なブースであることに加え、係員が中国語でしか対応できず、製品説明をはじめ来場者との会話はスマホアプリを使うなど、日本人から見れば準備不足に思えるようなメーカーも見受けられましたが、取材する我々に対する熱い売り込みは今後の日本市場での展開が楽しみに思えるほどでした。ここではそのようなメーカー、ブランドの三脚を中心に紹介していきます。
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【CAVIX(キャビックス)】CAVIX Photograph Equipmentの陳暁華さん。日本での展開は、大手量販店での販売を考えており、品質で勝負したいと語ります。手に持つのは最新のカーボン三脚「LC294C」
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【CAVIX(キャビックス)】大小2種類の脚を同梱し、通常の三脚としてのほか、テーブル三脚や一脚などとしても使用できるユニークなシステム三脚「PT254X1C」。チューブはすべてカーボン製となります。雲台やスパイダーは工作精度の高さを感じさせるつくりです
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【CAVIX(キャビックス)】プロフェッショナル仕様と謳うCAVIXの新しいカーボン三脚。左は最大チューブ径25.6mm、重量1.3Kgの「LC254C」、右は同じく29.3mm、1.6Kgの「LC294C」。雲台やスパイダー、ナットのほか、チューブにもカラーリングが施され、とてもオシャレです
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【CAYER(カイヤー)】CAYERは、2016年に誕生した中国ブランドの三脚。日本には、今回のCP+が初お目見えになるといいます。CP+に合わせてしっかりとした日本語のカタログを作ってきており、強い意気込みを感じさせました。写真は、同ブランドのレギュラーモデルと言うべきレバー式のカーボン三脚「CF1570」
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【CAYER(カイヤー)】「CF1570」の最大チューブ径は25.5mm。重量1.58Kgとなります。特徴のひとつがエレベーターの形状で、脚を折りたたんだときに3本の脚がぴったりとくっつくような形状としています。脚のロックはレバー式なので、素早くセットできるのも特徴とのこと
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【CAYER(カイヤー)】工作精度の高さを感じさせる「CF1570」のボール雲台。同ブランドのラインナップのなかには、野鳥を狙うバーダー専用の三脚などもあります。CAYERの三脚は、この3月よりAmazonで販売するとのことでした
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【Goocong(グーコン)】株式会社SAEDAが取り扱うGoocong。昨年もこのコーナーで取り上げましたが、今回はクリエイターシリーズが初お披露目となります。「Creator Plus/Creator Max」はアルミ三脚で、Plusは1ハンドル3ウェイ雲台、Maxは自由雲台となります。価格は現時点では未定で、発売は今年の夏を予定しています
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【Goocong(グーコン)】「Creator Plus/Creator Max」の特徴のひとつが、開脚のロック位置を自由に設定できること。ローアングルや足場の狭いところなど、状況に応じた角度でロックできるため、よりカメラを安定させることが可能です
【Goocong(グーコン)】三脚を使用したノートパソコンテーブルやギターハンガーなども、今回のGoocongブースの目玉。いずれもアルカスイス規格のプレート形状で、Goocongの雲台でなくても装着が可能
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【Marsace(マセス)】Marsaceは映像嵐株式会社が正規輸入元となる三脚ブランド。マウントアダプターや中国製レンズを取り扱う焦点工房のブースに出展しました。写真は、そのなかでも売れ筋の「MT24S」は、センターポールのないシンプルなカーボン三脚となります
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【Marsace(マセス)】こちらも売れ筋のギア雲台「MD-4」で、その操作感はとても滑らか。精密にカメラを動かすことが可能です。つくりの精度も極めて高いうえ、ギア雲台としてコンパクトに仕上がっているのも魅力
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【VANGUARD(ヴァンガード)】VANGUARDはすでに知られたブランドですが、気になったアイテムがあったのでご紹介します。それがこの自由雲台「LB-S」。本体への肉抜き加工に加え、ボール部も中空構造にすることで、可動部が増したにもかかわらず軽量化を達成しています。ラインナップも豊富で、4つのサイズから選べます
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【VANGUARD(ヴァンガード)】センターポールレス構造とすることで軽量化を図った、新しいVANGUARDの三脚「VEO 5X」。チューブはカーボン製とアルミ製が選べます。写真はいずれもカーボン製で、左が最大チューブ径23mmの「VEO 5XT 235CLB 45S」、右が同じく30mmの「VEO 5XT 304CLB 55S」となります