「将来の“なりたい自分”がまだわからない」という悩みを抱えるみなさんに、いろいろな企業で活躍する先輩たちの姿を通してロールモデルを見つけてもらう企画「#先輩ロールモデル」。
今回は、テクノロジーに強みを持つコンサルティング会社【フューチャーアーキテクト】の先輩社会人にインタビュー。
入社わずか2年で全社員が対象の期末評価プレゼンテーション大会で3位に輝き、今もなお活躍を続ける菅野さんに、フューチャーアーキテクトの特徴や就活のテクニックについて、お話を伺いました!
企業の経営課題を解決するITコンサルタントとして活躍。現在は新聞社のプロジェクトを担当し、ビジネス戦略のデザインから実現までのすべての工程を担う。
――自己紹介をお願いします。
フューチャーアーキテクト株式会社 Technology Innovation Groupに所属する菅野美怜と申します。2021年3月に中央大学理工学部を卒業し、同年7月より入社しているため、今年の春から新卒4年目となります。本日はよろしくお願いします。
――現在の仕事内容について教えてください。
ITコンサルタントとして、「GlyphFeeds」(グリフィード)というメディア業界向けクラウド型サービスに携わっています。GlyphFeedsは、記事や写真などのコンテンツを集約して管理するコンテンツマネジメントサービスです。
――――ITコンサルタントとはどんな仕事なのでしょうか。
「これまでの在り方を変えたい」「新しい価値を提供したい」と考える企業の経営課題や公共事業者の困りごとを、ITを使って一緒に解決する仕事です。経営者のパートナーとなり、経営戦略を考案したり、システムの開発・運用を手がけたり、幅広い工程が存在する仕事です。
通常、経営戦略の部分はコンサル系の会社、システム開発の部分はSier(エスアイヤー※)会社と分かれて発注されることも多いのですが、フューチャーアーキテクトは戦略立案から保守運用までの全ての工程を1社で担うことができるのが特徴です。
※システム開発・運用の支援を請け負う企業
――――入社後のキャリアパスについて教えてください。
フューチャーアーキテクトの社員のキャリアパスは本当に多様で、系統のような決められた道は存在しません。社内では「グラデーションキャリアパス」という呼び方をしているのですが、各々が自分のなりたい姿を思い描き、将来を自由に設計することができます。
業務を通じて、開発を極めたいと思えばスーパーエンジニアの道を目指せますし、開発もマネジメントも両方やりたいと思えばオールラウンダーの道を選ぶこともできます。このように柔軟に自分の将来を考えられる環境が整っています。
わたしの場合は、オールラウンダーのコンサルタントを目指しています。今担当している分野では一定の開発経験を積むことができましたので、次のステップとしてリーダー業務・マネジメントに挑戦しています。今後は全く新しい領域でさらに経験を積み、自分の技術の幅を広げていきたいと考えています。
――――フューチャーアーキテクトにはどのような方が多いですか。
向上心やホスピタリティの高い人が多いと思います。初挑戦となる業務を担当することになっても、向上心が高く、新たに勉強することを厭わない方が多く集まっています。新しく得た知識を社内で共有し、身近で困っている社員を放置しない様子を見ると、周囲の人たちのホスピタリティの高さを感じます。
――――研修内容について教えてください。
新入社員には、コンサル領域とIT領域の両方の研修が行われます。コンサル領域では、ロジカルコミュニケーションやプレゼンテーションのスキルを学習します。
IT領域では、ITの基礎的な知識やコーディングのスキルを学びます。口頭でソースコードを説明するといった独自のテストには苦戦することもありましたが、この学習方法を通じてプログラムの構造をよく理解できたため、今の自分の糧になっています。
――ソースコードの口頭試問をはじめ、研修は大変だったと思いますが、どのような工夫をしましたか。
何が分からないか分からない、という状態を作らないようにしました。自分に不足している知識を洗い出し、それを一つずつ潰していくことを意識しました。この経験はプロジェクト配属後にも役立っています。自分が理解できていることと理解できていないことを適切にグルーピングすることで、上司との議論もスムーズに進んでいます。研修での苦労があって良かったと思います。
――どんなときに仕事のやりがいを感じますか。
一生懸命議論を交わして作り上げたシステムがリリースされ、お客様の業務が改善されたり、お客様のビジネスに利益が出たりしたときにやりがいを感じます。また、リリース後にお客様から感謝の言葉をいただくと、本当にやって良かったと思います。
――現在サブリーダーに任命されていると伺いましたが、どのようなチームを作りたいと考えていますか。
メンバーが楽しく働きながらも成長を感じられるようなチームを作りたいと考えています。サブリーダーになったからにはメンバーを困らせてはいけないと思っているため、メンバーが悩みつつも困らない程度の粒度にまでタスクを細分化することを意識しています。徐々にタスクの粒度を大きくしていくことで、メンバー、ひいてはチーム全体が成長できると良いなと思っています。
――――アルバイトは何をしていましたか。
カフェと塾講師です。また、IT系のベンチャー企業でマーケティングの長期インターンも行っていました。
――アルバイトでの経験が、就活や現在の仕事に役立ったことはありますか。
2つのスキルが身に付き、役立ちました。
1つ目は、カフェのアルバイトで培った計画力です。混雑する時間帯を見越して作業に優先順位を付けたり、食材の在庫を見て発注したりしたことで、物事の予測をして計画立てて行動する力が養われたと感じています。
2つ目は、長期インターンで身に付いた社会人基礎力です。わたしがインターンをした会社では、社会人として働くために必要なスキルが明確化されていて、実践を通じてトレーニングできる環境でした。PCやExcelの使い方だけでなく、先輩社員に話しかけるときのマナーなどもきちんと学ぶことができました。
――長期インターンはどのように見つけたのですか。
インターンの募集情報掲載サイトから、自分で探しました。情報工学科に所属していたので、プログラミングを使うインターンに参加してみたい気持ちもありましたが、まずは社会人の働き方を知りたいという気持ちの方が強かったため、社会人基礎力が身に付きそうな企業を選びました。
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――企業選びにおいて重視したことを教えてください。
業務内容です。プログラミングが好きだったので、プログラミングし続けられる環境にいたいと思っていました。また、単純にコードを書く業務ではなく、お客様とコミュニケーションをとりながら課題を抽出して設計に落とし込んで開発していく、というプロセスを経験できる企業に就職したいと考えていました。
――就職活動中、自己PRをする上で意識したことを教えてください。
自分のアピールポイントを裏付ける具体的なエピソードを伝えるようにしていました。わたしの強みである挑戦力について、長期インターンにチャレンジしたというエピソードを付け加えて話しました。エピソード自体が輝かしいものでなくてもいいと思いますので、自分自身を分析し、何をしてきて何をしたいかをしっかり伝えられるように意識してみてください。
――その他、就職活動で工夫したことがあれば教えてください。
企業の社風や仕事内容とマッチしたガクチカを記載するようにしていました。たとえば、フューチャーアーキテクトは難易度の高い業務が多いと聞いていたので、長期インターンをガクチカとして使用し、難しいタスクに対する強いチャレンジ精神があることを伝えました。
また、長所と短所について話すとき、長所とも取れる短所を選ぶようにしていました。そして、短所を短所として終わらせるのではなく、それを課題として認識し改善しようとしている姿勢を見せるように心掛けていました。
――ガクチカの見つけ方について教えてください。
まず、普段の行動を列挙することから始めました。その中から、自分のスキルアップに繋がったものをガクチカとして話せるように考えました。たとえば、わたしは多くの人で賑わうカフェでアルバイトをしていて、大変な場面もありましたが、試行錯誤を重ね、徐々にお客様を効率よく案内できるようになりました。

この経験は、「アルバイトを通じて、物事を順序立てて効率よく行動する力が身に付いた」とも言い換えられます。日常の何気ない行動も、捉え方によっては魅力的なエピソードとして話せるようになると思うので、参考にしてみてください。
――社会人になる前に準備しておくべきことはありますか。
1日でも1週間でもいいので、インターンに参加して企業の実際の業務を体験してみることが必要だと思います。実社会の業務を経験しておくことで、自分のレベルアップが必要な部分に気付くことができると思いますし、社会人としての良いスタートダッシュが切れると思います。
また、大学生は自分の時間を長く取れるはずなので、旅行や趣味を思う存分楽しみ、経験や知識を深めてほしいです。
――大学生に向けてメッセージをお願いします。
皆様の就活がよりよいものとなることを心から願っています。ぜひ頑張ってください。そして、学生のうちに旅行に出かけたり、遊んだり、今の貴重な時間を楽しんでくださいね。本日はありがとうございました。

取材:渡部 優理絵(ガクラボメンバー)
執筆:浅井 宏允(ガクラボメンバー)
編集:学生の窓口編集部
取材協力:フューチャーアーキテクト