ソニーは5月13日、フラッグシップスマートフォン「Xperia 1」シリーズの最新モデル「Xperia 1 VII」を発表した。通信キャリアモデルおよびSIMフリーモデルとして6月上旬の発売を予定している。

  • Xperia 1 VII

    Xperia 1 VII

キャリアモデルはメモリ12GB/256GBの構成。SIMフリーモデルは、メモリ16GB/ストレージ512GB、メモリ12GB/ストレージ512GB、メモリ12GB/ストレージ256GBの3つの構成が用意される。SIMフリーモデルはいずれもオープン価格で、市場推定価格は16GB/512GBモデルが235,000円前後、12GB/512GBモデルが219,000円前後、12GB/256GBモデルが205,000円前後。

2024年5月に発表された前モデル「Xperia 1 VI」は170mm相当までのズームに対応する望遠カメラを搭載し、このカメラを活かしたテレマクロ機能なども搭載して高い評価を得た。今回の新モデルは、同社の「α」のカメラ技術、「BRAVIA」の映像技術、「WALKMAN」のオーディオ技術を取り込み、さらにAI機能「Xperia Intelligence」も加え、撮る/観る/聞くのすべてで本物の体験ができるスマートフォンを目指したという。

  • 「α」のカメラ技術、「BRAVIA」の映像技術、「WALKMAN」のオーディオ技術

    「α」のカメラ技術、「BRAVIA」の映像技術、「WALKMAN」のオーディオ技術を取り込んだ

画面を注視せずによい構図の映像を撮影できる「AIカメラワーク」「オートフレーミング」

カメラ機能で注目したいのが、「AIカメラワーク」「オートフレーミング」という2つの機能。これらはいずれも、広い視野角からAIがトリミングし、被写体をセンターにキープした映像を撮影したり、引きと寄りの映像を同時に記録したりできるというもの。撮影者がスマホ画面を注視して厳密なフレーミングを行う必要がなく、おおざっぱに被写体の方向にカメラを向けておくだけでよいので、目の前で起きていることを自分の目で楽しみながら、同時に美しい映像を残すことができるようになる。

  • AIカメラワーク/オートフレーミング

    AIカメラワーク/オートフレーミングにより、撮影者が画面ではなく目の前で起きていることを見ていられるようになる

この技術を支える超広角カメラは、前モデルの1/2.5インチ/1,200万画素から、1/1.56インチ/4,800万画素にスペックアップ。レンズの歪みも大きく低減されており、メインカメラとともに、フルサイズ並みの暗所性能を備える。なおそれぞれの撮像素子は、超広角/望遠カメラがExmor RS、メインカメラがExmor Tとなっている。

  • 超広角カメラの強化

    超広角カメラを強化し、フルサイズ並みの低ノイズ性能・広ダイナミックレンジを実現

  • カメラ構成

    カメラ構成

超広角カメラでは近接撮影にも対応。前モデルで注目されたテレマクロと使い分けて多彩な表現が行える。またポートレート撮影でもHDRに対応し、より美しいボケ表現が可能になっている。

  • 超広角カメラも近接撮影に対応

    超広角カメラも近接撮影に対応

  • カメラ機能のまとめ

    カメラ機能のまとめ

「Xperia史上最高の音質」のオーディオ性能、前モデルからブラッシュアップした映像性能

オーディオ面では、プレミアムグレードのオーディオ集積回路を採用。オーディオジャック部全体に金を加えた高音質はんだを使用して、伝送ロスを最小限に抑制。非磁性銅メッキ加工を施した高音質抵抗により、磁気緩衝による音の歪みを低減した。スピーカーの音作りではソニー・ミュージックと協業しており、高音域の拡張と低~中低音を最大10%向上させたという。

  • 高品位の回路・部材

    高品位の回路・部材を使用して音質を向上

  • ソニー・ミュージックと協業したスピーカーの音作り

    スピーカーの音作りではソニー・ミュージックと協業

また、Bluetoothの送信パワーを最大2倍とし、ワイヤレスヘッドフォンの接続性を向上。AIを利用したDSEE Ultimateによるアップスケーリングも利用できる。

映像表示については、前モデルの「Xperia 1 VI」でも「『BRAVIA』の画質をAIで再現する」としていたが、「Xperia 1 VII」ではディスプレイのピーク輝度が20%向上。前面だけでなく、背面にも照度センサーを搭載し、正確な環境照度認識による明るさ・色のより適正な調整を可能にした。

  • ディスプレイの強化

    ディスプレイのピーク輝度を向上させ、背面にも照度センサーを搭載

  • AV機能のまとめ

    オーディオ/ビジュアル機能のまとめ

  • カメラ/オーディオ/ビジュアル機能のまとめ

    カメラ/オーディオ/ビジュアル機能のまとめ

GoogleのAI機能も利用可能

バッテリー容量は前モデルと同じ5,000mAhで、4年使っても当初の80%以上の容量を維持する長寿命バッテリー。SoCはSnapdragon 8 Eliteで、優れた排熱性能で高負荷時もパフォーマンスを維持する。ゲームエンハンサー/FPS Optimizerといったゲーム補助機能は従来どおりだ。アップデートは4回のOSバージョンアップと6年のセキュリティアップデートに対応する。

  • パフォーマンス面のまとめ

    パフォーマンス面のまとめ

AI機能は、前述のようにカメラ/映像表示/オーディオにおいては「Xperia Intelligence」による独自機能を提供しているほか、一般的な領域ではGoogleとの協業により「Gemini」「かこって検索」「編集マジック」などの機能を利用できる。

  • 独自のAI機能「Xperia Intelligence」

    独自のAI機能「Xperia Intelligence」

  • GoogleのAI機能

    GoogleのAI機能も利用可能

ブラック/グリーン/パープルの3色を用意

カラーはスレートブラック/モスグリーン/オーキッドパープルの3色を用意。カメラボタン/オーディオジャック/カードスロットは従来モデルと同様に装備。純正スタンド兼用カバーも用意される(市場推定価格5,000円前後)。

  • カラーバリエーション

    カラーはスレートブラック/モスグリーン/オーキッドパープルの3色

  • Style Cover with Stand for Xperia 1 VII

    スタンド兼用のカバー「Style Cover with Stand for Xperia 1 VII」には環境配慮素材のSORPLASを使用

「Xperia 1 VII」の発表にあたり、札幌・銀座・名古屋・大阪・福岡天神のソニーストア直営店舗では、5月20日から6月8日まで、本機の展示や機能体験が行える新商品体験会を開催する。会場でクイズラリーに参加すると、Xperiaオリジナルのアクリルキーホルダーも獲得できる。5月23日から5月25日にかけては各店舗で開発者が店頭に立つ予定になっており、5月24日には銀座で、5月31日には大阪で開発者のトークショーも行われる。

また発売記念のキャンペーンとして、最大30,000円相当があたる購入者を対象としたロトくじも実施する。ロト期間は5月13日から9月1日までで、発売日前の予約期間中は1等・2等の当選確率が5倍にアップする。

「Xperia 1 VII」の主な仕様は下記のとおり。

  • CPU:Snapdragon 8 Elite
  • 内蔵メモリ:12GB/16GB
  • ストレージ:256GB/512GB+microSDXC(最大2TB)
  • ディスプレイ:6.5インチ OLED FHD+(リフレッシュレート120Hz)
  • 通信方式:4G/5G Sub6/5G Sub6+ミリ波
  • アウトカメラ:メイン48メガピクセル(Exmor T、1/1.35インチ、24mm相当、F1.9)
    超広角48メガピクセル(Exmor RS、1/1.56インチ、16mm相当、F2.0)
    望遠12メガピクセル(Exmor RS、1/3.5インチ、85-170mm相当、F2.3-F3.5)
  • インカメラ:12メガピクセル(Exmor RS、1/2.9、24mm相当、F2.0)
  • バッテリー容量:5,000mAh
  • 防水/防塵:IPX5、IPX8/IP6X
  • その他の機能:ワイヤレス充電(Qi)
  • サイズ/重さ:H162×W74×D8.2mm、197g