近年、数々のドラマや映画に出演し、女優としても活躍しているお笑い芸人のヒコロヒー。現在放送中のTBS系日曜劇場『キャスター』(毎週日曜21:00~)では、謎の清掃員・鍋田雅子を演じ注目を集めている。短い出演時間にも関わらず、視聴者に強烈な印象を残している彼女の演技や、鍋田というキャラクターが生まれた背景について、伊與田英徳プロデューサーに話を聞いた。
本作は、テレビ局の報道番組を舞台に、闇に葬られた真実を追求し悪を裁いていく完全オリジナルストーリーの社会派エンターテインメント。民放テレビ局JBNの報道番組『ニュースゲート』のキャスター・進藤壮一を阿部寛、進藤に振り回されながらも奮闘する総合演出・崎久保華を永野芽郁、進藤を尊敬するジャーナリスト志望の新米AD・本橋悠介を道枝駿佑が演じている。
「鍋田さん何者?」と話題 ヒコロヒー演じる謎の清掃員・鍋田雅子
ヒコロヒーが演じているのは、少々クセのあるJBNの清掃員・鍋田雅子。清掃中に書類に目をやったり、内部情報リーク者の行動を捉えた写真を撮ったのではないかと阿部に問われたり、ただの清掃員とは思えぬ怪しい動きを見せており、SNSでは「鍋田さん何者?」「鍋田さん気になる」といった声が上がっている。
ヒコロヒーの起用について、伊與田氏は「バラエティを見たときにツッコミが面白かったんです。強気な感じだけど相手をしっかりフォローしていて、面白いなと思ってキャスティングさせていただきました」と説明。
続けて、本作での演技について「ト書きなどに詳しくキャラクターの設定を描いているわけではないのですが、突発的に出てきて、一瞬にしてその場の空気を作って一瞬で去っていく。でもちゃんと爪痕を残すというのはさすがだなと。下手したら流れてしまって、『今回出てた?』みたいな感じになりかねないですが、ちゃんと空気感を出せている」と絶賛する。
わずかな出演時間でしっかりと爪痕を残すヒコロヒーの才能。伊與田氏は「それは予想以上でした」と感嘆し、「ご自身でも本も書かれていると伺って、芸人としての才能だけではなく、物語の中に自分を合わせながらも自分の個性を出すことがお上手なのかなと思います」と分析した。
実在の清掃員から着想を得て生まれたキャラクター
また、鍋田というキャラクターについて、TBSで実際に働いている清掃員から着想を得たと明かす。
「ドラマの部屋を清掃してくれるスタッフさんがみんなに愛されている人で、机の上に置いているゴミも持っていってくれる。気心があるから僕のパソコンを見ても、僕は何も言わないですけど、もしかしたらすごい情報を得ているかもしれない。そうだったら面白いかなと思い、ヒコロヒーさんにその役割をお願いしました」
実在の清掃員からイメージを膨らませて作り上げた鍋田。そこに、一瞬で人を惹きつけるヒコロヒーの存在感が加わることで、より印象深いキャラクターが生まれた。放送は残り2回。物語がクライマックスに突入する中、鍋田はどのような動きを見せるのか注目だ。
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