TOPPANホールディングスとDigital Domain Holdings Limitedのグループ会社であるDigital Domain Contentは3月4日、高解像実測データを活用し、実在人物を元にしたバーチャルヒューマン領域での協業に関する基本合意契約を締結。2025年3月初旬より本格的な協業を開始することを発表した。
今回の協業では、TOPPANホールディングスが「VIRTUAL HUMAN LAB.」内で運用する「ライトステージ」で取得した高精度な実測データを元に制作したバーチャルヒューマンを、Digital Domainの「Momentum Cloud」に適用することで、実在人物のバーチャルヒューマンを用いたクラウドソリューション化を実現する。
協業の背景
近年、3DCGやAI技術の発展によりバーチャルヒューマンに関連する技術が進化しており、エンターテイメントやマーケティングの分野だけでなく、小売や教育、介護といった分野での活用が期待されている。フォトリアルなバーチャルヒューマンを活用した企業広告や各種動画コンテンツが注目を集めるほか、受付や施設案内など、実業務でも利用が始まっている。
TOPPANホールディングスは2020年からライトステージでの計測データを元に制作したバーチャルヒューマンを各種サービスのユーザーインターフェースとして活用を推進している。
一方のDigital Domainは、先進的なバーチャルヒューマン制作とクラウド技術により、クラウド型のバーチャルヒューマンソリューションの開発を進めている。
今回の協業により、TOPPANホールディングスのライトステージでの計測技術と、Digital Domainが開発するバーチャルヒューマン制作技術を融合させ、高品質なバーチャルヒューマンソリューションを提供していきたい考え。
協業の概要
今回の協業では「バーチャルヒューマンの高品質かつ効率的な制作フローの実現」「バーチャルヒューマンキャスティング事業のグローバル展開」の2点に取り組む。
なお両社の役割としては、TOPPANホールディングスが、ライトステージでの顔計測、計測データを元にしたバーチャルヒューマンの品質評価とビジネスモデル開発、オリジナルのバーチャルヒューマンキャラクターの提供。Digital Domainが、ライトステージのデータによるバーチャルヒューマン制作と「Momentum Cloud」へのインポートを行う。
今後、TOPPANホールディングスとDigital Domainは、双方のビジネス領域を掛け合わせた検証およびビジネス開発を推進し、2025年度中にバーチャルヒューマンソリューション分野における事業創出を目指す構え。