NVIDIAがAIクラウドのLepton AIの買収に向けて協議を進めているという。成立すれば、NVIDIAにとってAIクラウドという新しい事業分野への拡大となる。

戦略的な買収を続けるNVIDIA

Lepton AIは、AIチップを搭載したサーバをレンタルするスタートアップで2023年に設立。同5月にCRVとFusion Fundから1100万ドルのシード資金を調達している。

主なサービスは、NVIDIAのAIチップを使用したサーバをクラウドプロバイダーから借り受け、それを他の企業にレンタルしている、これにより、企業は高性能なAIインフラを手軽に利用できるようになる。

また、AI推論とトレーニングのためのクラウドネイティブなプラットフォームを提供しており、オートスケーリングや高可用性、エンタープライズグレードの信頼性を備えるとともに、分散トレーニングやリモートアクセス可能な開発環境も提供し、効率的かつ信頼性の高いAIエンジンを提供しているという。

運用レベルのパフォーマンス、コスト効率、機械学習ツール、柔軟なGPUオプションなどを特徴とし、AIモデルの開発、トレーニング、デプロイなどに利用できるとしている。GPUではNVIDIAのA10、H100などを備えている。

報道によると、買収金額は億ドル単位で交渉されているとのこと。両社はコメントをしていない。

一方、NVIDIAは3月中旬に合成AIトレーニングデータを生成するプラットフォームを開発したサンディエゴのスタートアップであるGretelを買収。買収の条件は不明だが、直近の評価額である3億2000万ドルを上回るものとのこと。

Gretelは2019年に設立。AIモデルを微調整し、その上に独自の技術を追加してAIモデルをパッケージ化して販売している。

Gretelと従業員約80人のチームはNVIDIAに組み込まれ、同社の技術は開発者向けジェネレーティブAIサービス群の一部として展開されるとの見立てだ。NVIDIAの買収は戦略的であり、マイクロソフトやMeta、OpenAI、Anthropicのような大手が実世界のデータソースを使い果たす中、主力AIモデルのトレーニングに合成データをすでに使用している。