電話サポートにおける対応の違いで購入の是非を変えることはしばしばある。電話サポートは直接の顧客接点となるため重要なチャネルだ。JCOMは国内14拠点のカスタマーセンターに生成AIを活用し、電話チャネルの高度化を図っている。

従来、顧客やユーザーの問い合わせ意図や背景分類を意味するインテントを150種類に分類していたが、Google Geminiを活用することで3000種類と拡大させることに成功。Google Geminiでは、大量のテキストデータで学習した感情分析をGemini APIを通じて利用することも可能だが、同社では会話内容解析や感情分析にも活用することで生成AIとデータ活用から新しい重要指標を見出している。

  • (同社資料より)

同社によれば、感情分析の開始時と終了時の感情変化における「最終ポジティブ率」が顧客ロイヤルティを測る指標NPS(Net Promoter Score)と相関があることをデータから把握。ネガティブからポジティブへの変換率をオペレーターの評価軸の新たな重要指標に取り入れる。

JCOM(J:COM)は、2024年度からAI-CoE(AI Center of Excellence)を設立している。今回発表の成果を第一弾としているが、今後は映像領域において商品・サービスへの生成AIの実装も検討しているそうだ。国内最大級のケーブル・プラットフォーム事業を展開、エンタテインメントやコミュニケーションなど多彩なサービスを展開する同社と生成AIの取り組みからの新たな知見が期待される。

  • JCOMのAIへの取り組み(同社資料より)