対中規制の影響で売上高は好調も利益の伸びは減速

NVIDIAは5月28日(米国時間)、2026年度第1半期(2〜4月)の決算を発表した。

それによると売上高は前四半期比12%増、前年同期比69%増の441億ドルとなったほか、営業利益は前四半期比10%減、前年同期比2%増の216億ドル、純利益は前四半期比15%減、前年同期比26%増の188億ドルとなったという。

米国政府が同社の中国向けAI半導体「H20」を輸出規制の対象とした影響で、引当金などの費用がかさんだため、営業利益、純利益ともに過去最高は更新できなかったが、売上高、利益とも市場予測を上回る結果となった。

  • NVIDIAの2026年度第1四半期決算の概要

    NVIDIAの2026年度第1四半期決算の概要 (出所:NVIDIA)

このH20の輸出規制は4月になされた米国政府からの通知によるもので、NVIDIAは同四半期においてH20の需要減少に伴う過剰在庫と購入義務に関連した費用45億ドルを計上した。この規制が適用される前の同1四半期のH20関連売上高は46億ドルとされていたが、実際には25億ドル分の出荷ができなかったという。

グローバルのAI需要は今後も好調の見通し

NVIDIA 創業者兼CEOのジェンスン・フアン氏は、「中国のAIチップ市場は、米国にとって事実上閉鎖されている。H20の輸出禁止により、中国でのHopperデータセンター事業を終了させた」と語った一方、自社製品について「Blackwell NVL72 AIスーパーコンピューターは、推論のために設計された『考えるマシン』であり、現在、システムメーカーやクラウドサービスプロバイダー各社で本格的な生産が行われている。NVIDIAのAIインフラストラクチャに対する世界的な需要は高く、AI推論トークンの生成量はわずか1年で10倍に急増しており、AIエージェントが主流になるにつれて、AIコンピューティングの需要は加速するだろう。世界中の国々が、AIを電気やインターネットと同様に不可欠なインフラストラクチャとして認識しており、NVIDIAはこの大きな変革の中心に立っている」とグローバルでの需要は引き続き高いことを述べている。

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