産業・エネルギー・医療分野対応のDC-DCコンバータを発売
村田製作所は6月5日、産業・エネルギー・医療分野に対応した高絶縁小型DC-DCコンバータ「NXJ1Tシリーズ」を商品化したことを発表した。
産業・エネルギー分野では、800Vの電気自動車(EV)に代表されるように、EVの充電設備やバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)、再生可能エネルギーインフラなどで高電圧の活用が進みつつある。そうした機器が安定動作するためには、通信インタフェースやセンシング回路に求められる絶縁性が重要になっているほか、医療分野では、人体に直接接続される医療機器における安全性の確保が不可欠となっており、そうした状況を踏まえ、電子機器の効率的かつ安定的な動作を支えるDC-DCコンバータにも高い絶縁性と安全性が求められるようになっているという。
高絶縁性能、低漏れ電流、高耐久性を実現
同製品は、4.2kV DCという高い絶縁性能と低漏れ電流、高耐久性を兼ね備えたDC-DCコンバータで、高電圧環境下での動作が必要な産業・エネルギー分野や、高い安全性が求められる医療分野での活用を想定して開発されたものとなる。高い絶縁性能により、機器全体の信頼性を向上させることが可能となり、高電圧環境下での利用が可能となるほか、低漏れ電流設計により機器の安定動作が可能となり、人体に直接接続される医療機器などといった安全性が求められる用途にも適用可能となっているとする。
また、独自の成形技術を採用することで-40℃から+125℃の温度サイクル試験に1000回以上耐える高い耐久性を実現したほか、粉塵や微粒子の侵入を防ぐ優れた防護機能も備えるなど、高い信頼性を確保したという。
さらに、約80%の効率を実現しつつ、500kHz~2MHzのスイッチング周波数に対応。パッケージサイズも10.55mm×13.70mm×4.04mmと小型サイズを実現しており、機器の省スペース化と省エネルギー化を図ることができるようになるともしている。
なお、同製品は情報通信機器およびオーディオ・ビデオ機器に関する製品安全規格である「UL62368」、米国規格協会および医用機器標準化団体による医療用電子機器向け安全基準「ANSI/AAMI ES60601-1」に対応済み。すでにサンプル提供も開始しているという。