6月3日から5日まで、東京ビッグサイトで開催された「オルガテック東京2025」。同展示会は、ドイツのオフィスおよびファシリティの国際専門展示会である「オルガテック」のサテライトイベント。
本稿では、日本および世界の国と地域から多くのブランドが一堂に集結した同展示会における日本製鉄の展示を紹介する。
日本製鉄は、世の中に提供する「社会全体のCO2排出量削減に貢献する製品・ソリューション技術」を総称するブランドであるNSCarbolexを有している。同ブランドでは、削減したCO2排出量を把握しマスバランス方式を活用して任意の製品に割り当てたグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」と社会におけるCO2排出量削減に寄与する高機能鋼材とソリューション技術「NSCarbolex Solution」が提供されている。
今回、日本製鉄は、オルガテック東京2025において、「社会全体のCO2排出量削減に貢献する製品・ソリューション技術」を紹介。
「NSCarbolex Solution」に関しては、意匠性と用途に応じた機能性を兼ね備えた高機能鋼材「デザイニング・メタル」である、「FeLuce(ヘアライン調 電気めっき鋼板:フェルーチェ)」「TranTixxii(意匠性チタン:トランティクシー)」「ビューコート(プレコート鋼板)」「黒ZAM(黒色めっき鋼板)」および「意匠性ブリキ」を展示した。
ヘアライン調電気めっき鋼板「FeLuce」
「FeLuce」は、何かを足すのではなく飾らないことを追求した、しなやかさ、なめらかさを有する質感の鋼材。めっき層のヘアライン加工により金属らしい輝度感を表現しているという。特殊な薄膜樹脂コートで保護することにより優れた耐指紋性を確保していることも特徴。
同製品を使用することで、めっき表面の意匠を生かして後塗装を省略し、CO2の発生量をトータルで30%以上低減することが可能だという。
導入実績としては、オフィスエントランスや図書館書架、店舗什器などがある。
高品位プレコート鋼板「ビューコート」
「ビューコート」は、日本製鉄が独自に開発した塗膜と下地めっき鋼板の組み合わせにより多様な機能を発現したもの。
カーテンフローコートにより、ロール目のない外観やマット感の付与といった、高度な外観品位も提案可能な製品となっている。
塗装焼付作業がなくなり、CO2発生量がトータル30%以上も削減可能であるほか、塗装済みの鋼板により、製品の塗装のばらつき防止が容易になっている。
さらに深絞り成型性、屋外使用での耐食性、吸熱性、裏面導電性向上などにも対応可能としている。
同製品は移動機器外板への使用や宅配ボックス、EV充電器、空調室外機などに活用されており、マットな質感のタイプにも需要が高いという。
黒色めっき鋼板「黒ZAM」
「黒ZAM」は、めっき表面の黒色化処理により鉄の重厚感や渋みを表現した製品。めっき層自体を黒色化していることにより高加工部でも耐摩耗性・耐疵付き性を確保している。
めっき表面の意匠を生かすことで黒色後塗装を省略することが可能で、上記の2製品と同じくCO2発生量がトータル30%以上削減可能という特徴を持っている。
2.3㎜の厚手板厚にも対応可能で、天井ダクトのような場所に導入されているという。