伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と米Hewlett Packard Enterprise(HPE)は6月25日、AI分野における連携を強化し、生成AIを含むAIビジネスのさらなる拡大を目指す方針であることを発表した。

連携の概要

近年、生成AIを含むAIの活用は、企業の競争力を左右する重要な技術となっている。その適用範囲は社内システムにとどまらず、工場や物流施設などのエッジ環境にも広がっており、データセキュリティやガバナンスの観点からも、オンプレミスやハイブリッドクラウドなどさまざまな環境に対応した、安全かつ高性能なAI基盤の整備が求められている。

今回の連携強化では、企業のAI活用を支えるインフラとして、HPEのAI基盤ソリューションであり、NVIDIA AI Computing by HPEとして展開されている「HPE Private Cloud AI(HPE PCAI)」を活用し、両社のAIビジネスをさらに拡大していく。

具体的な連携の内容としては、「CTCが取り扱うAIアプリケーションをHPE PCAIに実装して提供」「HPE PCAIを活用したAI推論基盤ソリューションの共同開発」「共同イベントや市場調査などのマーケティング活動を通じた案件創出」の3点に取り組む。

連携の背景

CTCは、HPE製のサーバ、ストレージなどを活用した大規模なシステム構築から保守・運用まで豊富な実績を持ち、HPEのパートナープログラムの最高位にあたる「International Solution Provider」に日本で唯一認定されている。

さらに、CTCは、AI関連ソリューションの拡充にも注力しており、海外のスタートアップとのパートナーシップを構築する取り組みである「NAPP(North America Partnership Program)」を2023年4月から開始している。

LLM(大規模言語モデル)のオーケストレーションツールや目的特化型の生成AIモデル開発ツールなど、先進的なAIアプリケーションの提供を開始している。

今後もCTCとHPEは、強固な連携のもと、オンプレミスやハイブリッドクラウド環境などの環境に対応した、安全で柔軟なAI基盤の構築を進め、データセキュリティやガバナンスにも配慮しながら、AI技術の一層の普及と、顧客のビジネス成長を支援していきたい考え