NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は6月27日、水資源機構の管理する長良川河口堰において、ドローンポート「Skydio Dock for X10」と「Starlink Business」を活用して完全無人のレベル3.5飛行に成功したことを発表した。

実証では災害時における施設の安全確認について、約300キロメートル離れた東京の事務所から飛行指示を出し、ドローンを用いた遠隔での現場監視を実施。また、災害時に十分なネットワーク環境が準備できないことを想定し、通信回線には「Starlink Business」を用いた。

  • ドローンポートから離陸する機体

    ドローンポートから離陸する機体

  • 東京の事務所から遠隔操縦

    東京の事務所から遠隔操縦

実証の背景

ダムをはじめとした治水施設では、自然災害が発生した際にダムの決壊や洪水などの被害を防止するため、早急に施設の安全確認を行う必要がある。南海トラフ地震などの大災害が起きた際には職員が現地へ向かうことが困難になる事態も予想されるため、現地から離れた場所でも速やかに施設点検を行える体制の構築が求められる。

この実証では災害時に十分なネットワーク環境が準備できないことを想定し、通信回線に「Starlink Business」を活用した完全無人のレベル3.5飛行を行うことで、安全で迅速な施設点検を実現した。

  • 実証の概要図

    実証の概要図

実証の概要

実証は長良川河口堰において、ドローンポート「Skydio Dock for X10」の特徴である遠隔操作、自動充電の機能を活用し、完全無人での運用を実施した。Skydio X10の総飛行距離は、目視内飛行も含め37キロメートルの恒常的な飛行を実現。また、飛行指示は約300キロメートル離れた東京の事務所から行うことで、災害時における遠隔地からの施設点検についての有用性も確認した。

  • 巡視飛行をしているSkydio X10

    巡視飛行をしているSkydio X10

  • 遠隔監視している画面

    遠隔監視している画面