6月12日にインド西部のアーメダバードにあるセダー・バラブヒバイ・パテル国際空港(AMD)で、エアインディアのボーイング787-8(登録記号VT-ANB)が、離陸直後に墜落する事故が発生した。
もちろん、発生の翌日なんていうタイミングで「原因はこれではないか」なんていうことは、軽率との誹りを免れ得ない。ところが、ついあれこれいいたくなるのは世の常のようだ。→連載「航空機の技術とメカニズムの裏側」のこれまでの回はこちらを参照。
フラップが出てなかった?
離陸直後の事故だから、事故機を撮影した映像がいろいろ出回っている。それを見て「フラップが出ていなかったんじゃないか」という説を唱える向きがあるようだ。だがちょっと待ってほしい。
手元にある、さまざまな機体を撮影した離陸直後の写真を見ると、離陸の際には、フラップはそんなに大きな角度を付けて降ろさないものである。