「心が狭い」の意味とは? 心が狭い人の特徴や心理、改善方法を解説

「心が狭い」とは「周囲の状況や他人の言動を受け入れない」という意味。では、そんな心が狭い人の特徴とは? 心理カウンセラーの大塚統子さんが分析。すぐにイライラするなど狭い心を持つ自分が嫌になっている人たちへ、直すための改善策も解説します。

心が広い人は好かれるけれど、心が狭い人は周囲の人から浮いたり避けられたりしやすいものです。

人から「心が狭いね」と言われたことがある、自分は心が狭い自覚があるなど、心の狭い自分が嫌になって「何とかしたい!」と思っている方もいるでしょう。

心が狭い人の特徴や、背景にある心理を理解して、紹介する改善方法を試してみてください。

「心が狭い」とはどういう意味?

そもそも「心が狭い」とはどのような意味なのでしょうか。辞書には以下のように記載されています。

心が狭い(こころがせまい)

周囲の状況や他人の言動を受け入れない。他人に対する思いやりがない。度量が狭い。

(『デジタル大辞林』小学館)

「心が狭い」とは、自分の思ったことや言いたいことは主張するものの、他人の話を聞いたり他人を思いやる「精神的なゆとり」を持たなかったりする状態を指します。

心が狭い人の特徴6つ

残念ながら、心が狭い人はあまりいい印象を持たれません。周囲の人から「心が狭い」と思われやすいのは、次のような特徴がある人です。

(1)怒りっぽい

自分の思い通りにならないとイライラするのはもちろん、些細なことが許せません。ストレスを感じやすく、すぐに怒って、不機嫌でいることが多くなります。

(2)他人に厳しい

他人に完璧を求めます。ちょっとしたミスもキツイ言葉で指摘しがちです。また、うまくいかないことは人のせいにしやすく、素直に自分の非を認めるのが苦手です。

(3)人を否定する

自分が正しいと信じているので、容易に人を否定しがちです。会話の中でも「それは違う」「そうは思わない」などと言うことが多く、相手への肯定や共感は少なくなります。

(4)自分のために行動する

自分を最優先にする自己中心的なところがあります。自分が嫌なことは避け、損・面倒・無駄は引き受けません。他人にあまり興味がなく、人のために行動するのが苦手です。

(5)人の成功や幸せを喜べない

人が自分よりも優位にあると嫉妬するので、人の喜びを共有できません。人の粗を探したり、けなしたりして相手を下げ、マウントを取ろうとすることがあります。

(6)アドバイスが聞けない

人からアドバイスされることを不快に思いがちです。自分の考えと異なる話に耳を傾けるのは苦手です。仮に「分かった」と返事をしても実行しないことがほとんどです。

▶次のページでは、心が狭い人の心理について解説します。

なぜ? 心が狭い人の心理

もし心が満たされて幸せだったら、精神的な余裕も十分持てるでしょう。自らすすんで心が狭くなっている人はいないはずです。では、なぜ心が狭い状態になってしまうのでしょうか。その心理を解説します。

(1)自分の常識が正しいと思っている

意見ややり方の違いを、自分は正しくて相手が間違っていると捉えがちです。頑固さがあって、「○○でなければならない」と融通が利かないところがあります。そのため、許容範囲が狭くなり、自分と異なる他人の価値観や多様性が認められなくなります。

(2)自分のことしか考えられない

例えば、世界で一番自分が不幸だと感じていたら、あるいは世界で一番自分が大切だと思っていたら、まず自分のことを考えるでしょう。

自分のことで頭がいっぱいで、他人の事情や気持ちを想像できない状態なので、自分の言動が他人に与える影響について鈍感になります。

(3)人のせいだと思いやすい

本来、自分の気持ちは自分が感じているもので、自分次第で変えられるものです。しかし、心の狭い人は「こんなに嫌な気分になるのはあの人のせい!」と考えがちです。自分を被害者だと理解するので、相手に攻撃的な態度を取りやすく、寛容にはなれないのです。

(4)競争意識が強い

勝ち負けを基準に物事を考えるタイプは、自分が優位に立つために非情になります。心理的には、プライドの高さや自信のなさ・劣等感などがあって、勝敗で自分の価値を証明しようとしています。負けることへの恐れも強く、逆に敵には情けがかけられない状態です。

(5)人間不信がある

過去の経験から「傷つけられる」「損をする」「利用される」「裏切られる」「迷惑をかけられる」などと思っていると、人との距離を取ろうとします。

自分を守ることに精一杯の状態では、他人と深く関わりたいと思えませんし、相手を思いやる心境にはなれないでしょう。

▶次のページでは、心が狭い自分を改善する方法について解説します。

心が狭い自分を改善する方法

心が狭い状態を改善して、少しでも寛容な自分・大らかな自分になるには、どんなことに取り組めばいいのでしょうか。具体的な方法を紹介します。

(1)イライラした時には6秒待つ

心が狭い人は、イライラした瞬間に相手に怒りをぶつけたくなります。そして、待つことが苦手です。

イライラしたら、まずは6秒間、深呼吸して冷静になる時間を持ちましょう。怒りのピークをやり過ごすと、感情的な言い方を避けやすくなるでしょう。

(2)お互いの違いを尊重する

相手には相手の事情、相手の価値観があります。それぞれが同じではないし、違っていいと認識しましょう。もし混同しそうになった場合は「人は人。自分は自分」と唱えるようにするといいでしょう。

(3)多様性を学ぶ

より広い世界を知ることで、広い視野が持てるようになります。本を読んだり、映画を見たり、自分とタイプの違う人と交流したりしてみましょう。

自分とは異なる、多様性を受け入れていくと、他人への決めつけが減らせるでしょう。

(4)相手の気持ちを想像する

人に思いやりを持つには、相手を理解することです。まずは、相手の話を最後まで聞き、相手の立場だとどんな気持ちになるのかを想像しましょう。また、相手に伝える言葉は、自分が言われても嫌だと思わない言葉を選びましょう。相手を理解していくと、接する態度が柔らかくなるでしょう。

(5)自分と人のいいところを探す

「自分もいいし、相手もいい」と感じられると、競争を手放すことができます。自分と相手のいいところを探してみましょう。可能なら、相手に感じるいいところを相手に直接伝えてみましょう。相手と心の距離が近づくと、嫉妬の度合いが減っていくでしょう。

(6)人のために行動する

見返りを求めずに、誰かのために行動してみましょう。例えば、飲み会の幹事を引き受けるとか、募金をするとか、ボランティアをするとか。自分が与える側になって行動してみると、自分のために行動してくれた人の思いに気が付いたり、自分が望んだように行動することの難しさを実感したりできるでしょう。

「心が狭い」と自己嫌悪しないで

自分の心の狭さを感じるのはうれしいことではありません。でも、「自分は心が狭いかも」と認められる人なら、これから変えていくことができるでしょう。

心が狭い人には、心理的な理由と、改善するための方法があります。まずは、自分の心を理解して、できることから取り組んでみましょう。

そして、人に与えることに喜びを見出せるような「心の広い自分」に成長した姿を想像してみてくださいね。それが実現できたら、自分のことを誇らしく思えるのではないでしょうか。

未来にはたくさんの可能性があります。どうかご自分を否定し過ぎないでくださいね。

(大塚統子)

※画像はイメージです

※この記事は2020年10月08日に公開されたものです

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